こんにちは。
一般社団法人嚥下トレーニング協会
嚥下トレーニング講師
辰巳 早織です。
誤嚥性肺炎
ここ数年の耳にするワードですが
意識的に何か行っていることはありますか?
健康な時からできる予防方法知っていますか?
誤嚥性肺炎とは高齢者に多い肺炎の一種。
口の中にある汚染された唾液や食物残差物が
本来なら食道に流れていくべきものが
のどの筋肉の低下によって
気管に流れていき、それが肺の中で
ばい菌の巣を作り
最終的には肺炎を起こしてしまう
病気の事です。
高齢化社会と共に注目を浴びている誤嚥性肺炎
しかし、
寝ている間におこっていることはあまり
知られていません。
目からうろこ!!
誤嚥性肺炎、
この言葉からどうしても
食事中にむせるイメージがあります。
先日、
「むせる」
をテーマにした勉強会を行いました。
出席されたかたは50代~70代の方。
症状の違いはあるものの皆さん、
「むせる」について悩んでいます。
・「むせる」ために夜眠れない
・「むせる」ために眠りが浅い
・「むせる」ために食事がおいしく頂けない等々
人によって症状の感じ方は違いますが
のどの症状に悩んでいます。
そして、
誤嚥性肺炎は
食事中にむせておこしてしまうと
思っておられた方がほとんどでした。
それも間違いではありませんが
誤嚥性肺炎は
寝ている間、
気管に唾液や口のなかの汚染されたものが
流れ込み、それが引き金となって起こるもの。
寝ている間に起こる
ということに皆さん、驚きの表情。
目から鱗だったとのことです。
ではなぜ、寝ている時に起こるのでしょう。
これはのどの仕組みに問題があります。
のど=空気の通り道+食べ物の通り道
のどの中には
・肺に繋がる「気管」
・胃に繋がる「食道」
があります。
日ごろ無意識的に食べている食事、
なぜ、気管でなく食道に入っていくのか?
これは
のどの仕組みの問題
なんです。
食べたり、飲んだりする時を
少し頭の中でイメージしてみて下さい。
1・「舌」を使って食べたものをのどの奥へと送り込む。
2・それと同時にのどの筋肉が「のど仏」を引っ張り上げる。
3・そうする事によって食道の入り口が開き広がる。
4・「のどの蓋」が後ろに倒れて、気管に食べ物が入ることを防ぎ、
食道が食べ物をつかみ取りに来る。
この
「のどの蓋」を支えている筋肉が
弱ってしまうことによって
寝ている間に
少しずつ
口の中の唾液や汚染されたものが
気管へ流れ込んでいってしまうのです。
のどの筋肉を鍛える
ということは
「のどの蓋」を支えている筋肉を鍛える
=
・気管に食べ物が流れ込んでいかない
・むせない
ということです。
食後は頭を少しあげている。
入院中の寝たきりの患者さん
食後は皆さん、
頭元を少し上げて休んでいます。
つまり
のどの蓋を支える筋肉が弱っているので
そのまま食後、
横になってしまうと
おのずと
気管に食物残差や
汚染された唾液が流れ込んでいってしまい
誤嚥性肺炎を増幅
させてしまいます。
「食べる」
「飲み込む」
のどの筋肉と深い関係があること
お分かり頂けましたか。
健康な時から「むせない」生活
のどの筋肉を鍛えて
目指していきましょう。
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