「ごっくんトレーニング」体験講座開催

トレーニング講座模様
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こんにちは。
一般社団法人嚥下トレーニング協会
嚥下トレーニング講師
辰巳 早織です。

昨日、70代のご夫婦の方への
「のどのトレーニング」と「誤嚥性肺炎」についての
講座を開催致しました。
「トレーニング」をさせて頂く中で、
看護師として現場で感じていた
「想い」
そのものを感じていました。

親の想い

「親」

どんな事が頭の中に浮かびますか。
この世に
「生」を与え、育んでくれた存在。
「親」がいなければ
私たちは存在しませんし、
愛情かけて育んでもらえなければ
「今」の私たちは
いないでしょう。

そして、
子供が成長する時間の中で
親も年を重ねながら生きています。

私たちが年齢を重ねるとの同じように、
「親」
も年齢を重ねています。
いつまでも
あの元気な若い姿ではない
ということです。

でも、
「親」は
いつになっても、
子供が成人し、
どれだけ年齢を重ねようとも
自分の子供は
「愛しい存在」であり、
自分よりも
「大切な存在」
であることには変わりありません。


自分に時間がなくても
子供に頼まれればどうにか時間を捻出し
子供のために。

少し体調が悪くても
子供のためなら無理して頑張ることができる。

それが「親」です。

現場で看護師として働いている時にも
やはり、
こういった
「親の想い」に触れることは
多々あります。

・「子供には心配をかけたくないから
  看護師さん、言わないで欲しい。」
・「子供には聞かせられないから
  先生、私にだけ言って欲しい。」
・「子供にはこんな姿見せられないから
  見せないで欲しい。」

「子供には迷惑をかけたくない・・・」


親が子供を想う気持ちが
集約されているように感じられます。


のどのトレーニングを行っている時にも
そういった
親が子供を想う場面に遭遇します。

なぜ、
のどのトレーニングを行おうと思ったのか、
きっかけを聞いていると
自分自身の
「むせる」や「のどの不快感」というものも
ありますが
根底にはやはり、
「子供に迷惑をかけたくない」
「家族に迷惑をかけたくない」という想い

 伝わってきます。
その部分をどのようにくみ取っていけるのかが
看護師としての大切な役割だと思っています。

本当に看護師をしていると
「親の愛情より深い愛情なんてない」
と感じる場面に多々、遭遇します。

子の想い

また、親が子供を想う気持ちが
あるように
子供にも
自分の親を大切に思う気持ち
というものがあります。

時の流れの中で
子供は成長し、いずれは親の元から離れていくでしょう。
人によっては
家庭を持ち、
自分自身が今度は親となり、
今まで当たり前のようにしてもらっていた
親からの愛が
どれだけ慈しみ深いものであったかという想いに
触れるようになることでしょう。
子供を持つと、
親の気持ちを知るようになります。
自分の命を削ってでも、守りたいものの存在に。

それが
「自分の親にとって自分自身である」
という事に気が付く時が。

でも、
親はいつまでも
あの頃のまま若くはありませんし、
ずっと元気でもありません。
気が付いてみると
今の自分の年齢に驚くこともありますが、
親の年齢を知って驚くこともあります。

病院で患者さんの子供さんと
お話をするときにも
子供さんは
「もっと、自分の事だけを考えてたらいいのに。」
と言われる方がたくさんおられます。

子供には話さない、
話せないことを
私たち看護師が
橋渡し役となり
お話すると
涙されながら聞いてくれる事もあります。

のどのトレーニングについても
やはり子供の親を想う気持ちに触れるときがあります。
「母は恥ずかしがり屋できっと、
 来ないと思うから
 私が教えてもらいに来ました。
 そして、それを母に伝えたいと思います。」っていう人もおられます。

親が子供を想うように
子供も親にはいつまでも元気でいて欲しい。

迷惑をかけたくない・生きるという事

昨日のご夫婦の方もとても真剣に
「誤嚥性肺炎」について、
聞いて下さり、
「のどのトレーニング」も
一緒に進めていきました。

以前、肺炎で入院されておられたとの事、
ご自身も階段を上がったりすると
息が切れるという自覚症状をお持ちでしたのでゆっくりと。

①夜寝ている時に
のどの奥の方にタンが張り付いているような感じ
②ぐっすりとは眠れない
③むせる
④痩せてきた
⑤声を出し続けにくくなってきた


のどの筋力低下のサインは十分に出ていました。

のどのトレーニングを進めていく中で
効果がゆっくり自覚頂けると嬉しいです。

トレーニングの最後に
お父様のお話された印象的な一言。

「いつまで元気で生きることが
 できるか分かりませんが
 いけるところまで
 迷惑をかけずに生きたいものです。」


この一語に
お父様の気持ちが込められているように感じたのは
私だけでしょうか。

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