口から食べるものに勝るものなし!

予防医学について

こんにちは。
一般社団法人嚥下トレーニング協会
嚥下トレーニング講師 辰巳 早織です。

口から食事を食べて、
飲み込む。

毎日のことですが
当たり前の動作だと
思っていませんか。

口から食べることが当たり前?

私は
新人看護師の頃、
耳鼻咽喉科病棟で勤務していました。

あまり一般的には
知られていませんが
耳鼻咽喉科領域にも
たくさんの悪性腫瘍が存在します。

その中の一つが
舌がん。

舌がんの患者さんは
手術によって
舌を切除し、
その後、
食事を食べることが
できなくなるので
鼻から胃までチューブを入れ、
直接栄養を送り込むか
心臓の血管に直接、
点滴チューブのようなものを入れ
高カロリーの点滴を行うかの
どちらかでした。

その時に
私は初めて知りました。
舌と“食べる”事の重要性について。

“食べる”
機能が1つでもダメになると
あっという間に
人は食べることができなくなり、
それと同時に
精神的にもダメージを
与えてしまいます。

健康な時にこそ、
口から食べることは
当たり前のことですが
決して当たり前でないという事を
私は伝えたい。

内科医の言葉

私が
以前一緒に働いていた病院で
内科の医師が
必ず患者さんに
話していた言葉があります。


それが
「口から食べるものに勝るものはなし。」
という言葉です。

この医師は
患者さんが食べられない時、
少しでもいいから
口から摂るように
いつも話していました。

現代の医療では
食べられなくても
命を継続することは
可能です。

しかし、
それでは
人の精神的な“生きる”という気持ちの部分では
満足できるものではなく
ただ、生かされている命に
なってしまうでしょう。

それでは
意味がないのです。

忙しない世の中

昔昔に比べると、
便利な世の中、
忙しい世の中、
なんだか社会全体が
活気を帯びているというよりは
鬱屈としているような
感じさえしてしまいます。

人が生活する環境は
恐ろしいほどのスピードで
変化を遂げていますが、
人の身体の中身は
何も変わってはいません。

アレルギー体質だったり
体質の変化はあっても
中身は同じです。

しかし、
食べ物はかわりました。

食べ物の変化と共に
私たちの生活も
食事形態も変わりました。

そうなると
噛む回数(咀嚼回数)が減ります。

あごの形が変わってきます。

ノドの筋肉の使い方が
変わってきます。

知らず知らずのうちに身体は、
のどは、
飲み込み方は
変わっていっています。

昔々の人の噛む回数は1400回
現代人の噛む回数は600回

数字だけみても
半分以下
これだけ
ノドの筋肉は使う回数が
減ったという事です。

という事は飲み込む回数も
減ったという事です。

健康な今だからできること

健康な今だから
できることがたくさんあります。

病気になって後悔したくない。

あの時、
こうしておけばよかった。

あの時、
病院に行っていればよかった。
もう、
こういった言葉を
みんなが使わなくても
よくなるといいのになと思っています。

誤嚥性肺炎は
自分の意識と継続で
予防できる病気の1つです。

最期まで
自分の口から食事を食べて、
元気に過ごしていきたいですね。

コメント