「むせる」を放置する恐怖

私が実際に見てきた誤嚥性肺炎のお話

こんにちは。
一般社団法人嚥下トレーニング協会
嚥下トレーニング講師
辰巳 早織です。

「むせる」
「のどの違和感」

のどの様々な症状で悩んでおられる方

病院に行っても特に異常なし。
薬を内服しても特に症状が変わらない。

もう年だからと諦めていませんか

飲み込むことのできない恐怖

病院には様々な患者さんが日々来院されます。
救急外来ともなれば多種多様。

その中でも特に多いと思う疾患が
高齢の方、
特に寝たきりの方の
誤嚥性肺炎

・発熱
・酸素飽和度の低下
・たんの色が汚い
・のどの辺りで何かゴロゴロと音がする
・口から、鼻から吸引すると黄色、白、緑色のたん、

唾液、食物残差がひけてくる

採血、
胸部のレントゲンを撮ると
肺は汚く、
血液検査は炎症反応が高い。

これだけの症状や検査結果がそろうと
ほとんどが
誤嚥性肺炎

そして、
そういった方は自分で
「飲み込む」
ことはできません。


時間ごとに
鼻から、
口から、
唾液や口の中の汚染しているものを
吸引してあげないと
窒息してしまいます。

口から食事がとれない

こういった患者さん、しばらく絶飲食で入院。
点滴で補液はするもののその間に体力は落ち、
のどの筋力も低下しています。

いざ食事が開始されても
今までのような食事を食べることはできません。
食事の形態も風味も変わり、
さらにむせにくい、
のどをスムーズに通りやすい
食事にしているために
のどの筋力低下を加速させるでしょう。

そして、のどの筋力低下の加速の結果、
誤嚥性肺炎をさらに
繰り返すことになります。

「食べさせてあげたい」家族の想い

誤嚥性肺炎で入退院を繰り返されておられた男性。
元学校教師の方。
入退院を繰り返しながら
徐々に飲み込み力も低下。
食欲はすごくあり、
食べたいという気持ちは高かった。
でも
食事をすると
誤嚥性肺炎
を繰り返すので
口からの食事は中止され、
胃ろうについての話が
主治医からされました。
そのご家族は主治医の話を聞き、
胃ろうについては拒否。
むせても、
窒息してもいいから
最期、
食べさせてあげたいと奥様は泣いて
主治医に話されていました。

健康な時からの意識の大切さ

病気になってから人は、
後悔します。

でも、
もうその時には時すでに遅し。

当たり前のように健康で過ごしていること
当たり前のように食事をしていること
食事するためには
「飲み込まないと」
体の中には食物が入っていかないこと

当たり前だけど当たり前でない
健康な生活、食事
健康でいるためには食べなければ。
こういったことを
少し考えるだけでも
健康に対する意識が違います。




















コメント